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工場案内

生薬栽培

株式会社和漢薬研究所では「本物づくり」を推進するため、

  1. 無農薬栽培による安全な生薬の確保
  2. 優良な種苗の確保
  3. 安定した生薬原料の確保

を目的として、自然薬の原料となる生薬の自社栽培に取り組んでおります。

自社栽培の一例
トウキ(当帰)

セリ科の多年草で、根茎は婦人病疾患等に処方されます。また、花期(6月中旬から8月初旬)には白い可愛らしい花を咲かせます。数年前より赤城薬園内で栽培していたトウキから種を取り、栽培地へと拡大を図りました。4月に種を蒔くと、5月頃には発芽し、8月頃には30~40センチほどの大きさになり、特有の香りを放ちます。生薬原料として使う為には花を咲かせてはいけません。薬用部位の根茎に十分な有効成分が貯蔵されないからです。花期には頻繁に栽培地に足を運び、花芽を摘まなければならず、担当者は常に目を光らせている必要があります。栽培地では収穫用(原料用)のトウキと種取用のトウキを分けて栽培しています。平成20年度には自社栽培品だけで紫華栄、ジュンキコウに処方される分のトウキをまかなえます(自給率100%以上達成!)。

ミシマサイコ圃場収穫風景 朝鮮人参小屋 可憐なトウキの花
ミシマサイコ圃場収穫風景 朝鮮人参小屋 可憐なトウキの花、切花として利用できます

絶滅危惧種のムラサキ栽培に挑戦!

和漢薬研究所の医薬品「紫華栄」や「ジュンキコウ」に処方されている原料生薬の一つに「紫根(シコン)」があります。原植物名は「ムラサキ」で、古来その高貴な紫色が染料として珍重され、徳川幕府第八代将軍吉宗もその栽培を奨励したと伝えられています。

くすりとしての利用は紫根牡蠣湯や幕末の名医華岡青洲家方の紫雲膏として利用されてきたことで有名です。また、万葉集の中に額田王の歌として「あかねさす 紫野ゆき 標野ゆき野守は見ずや 君が袖振る」があり、昔の「東京市の歌」の中でも「むらさき匂いし武蔵野の野辺に」と詠まれ、関西から東北にかけて一般的に観察される植物だったようです。現在関東地方の山野のムラサキは取り尽されてしまったのではないかと言われ、大量に栽培生産されたとの記録もないことから「絶滅危惧種」として指定されています。

和漢薬研究所・赤城工場では平成17年から本格的に試験栽培を開始し、平成18年度には約1,200株の栽培に成功しました。3月にハウスの中の苗床に種を蒔き、約1ヵ月後に発芽が出揃ったところで、5月に苗を圃場に植えつけました。ムラサキは非常にデリケートな植物で高温多湿に弱く、特に暖地では栽培が難しいとされております。風通しや水はけを良くしなければ根腐されを起こしてしまいますので、逐一目を配っていかなければならず、日々の管理が非常に大切になってまいります。赤城の圃場では適度に雨よけや遮光のできる風通しを考慮したハウスを設置し、無農薬で栽培を行なっています(写真参照)。

「紫華栄」や「ジュンキコウ」の原料として自給率100%となることを目指して、これからも「本物づくり」を進めていきます。

圃場ハウス内で順調に生育するムラサキ ムラサキの開花
圃場ハウス内で順調に生育するムラサキ ムラサキの開花